夏場の感染症

夏場に多い皮膚疾患②  水いぼ(伝染性軟属腫)について

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こんにちは😊
みしま小児科クリニック青葉台の小林孝輔です🏥

今回は、なかなか治らず、お子様や保護者を悩ます「水いぼ(伝染性軟属腫)」について、解説いたします。

  1. 水いぼとは?💧
  • 正式名称:伝染性軟属腫(ポックスウイルス科)
  • 発生しやすい年齢:主に乳幼児・児童ですが、大人にも感染することがあります👶👦👩
  • 症状
    • 皮膚に光沢のある小さな丘疹(こぶ)がポツポツと出現🎈
    • 多くは痛みやかゆみが少ないですが、広がると不快感を覚えることも😣
  • 診断:見た目と診察でほぼ確定します🩺
  •  

 

 

光沢のある水疱。おなかや脇、肘やひざ裏にできやすい

 

 

 

 

  1. 予防のポイント🛡️
  1. 接触感染に注意
    • 感染者との直接接触は避けましょう🚫
  2. アイテムの共有を控える
    • タオルや衣類、浮輪などは個別に使用してください👕🩴
  3. プール後のケア
    • プールのお水自体では感染しませんが、ビート板やタオルなど共用物を介して感染することがあるので、使用後はシャワーでしっかり洗浄🚿

★ポイント★

水いぼは、接触した皮ふを洗わずにしばらく放置することで感染してしまいます。プールの後や水いぼを持つ子と遊んだあとに、しっかり体を洗うことで感染のリスクを大きく減らすことができます。

  1. 自然治癒と治療法💉
  • 自然治癒
    • 健康な子どもでは時間をかけてウイルスに対しての免疫を体がつけることで、6か月~3年で自然に消えることが多いです⏳
    • 基本的にほうっておけば自然治癒します。一度完治してしまえば、体に免疫ができるので、再発することはほとんどありません。
    • ただ、完治まで時間がかかること、アトピーなどがあるお子様だと、かゆみから水いぼが全身にひろがってしまうこともあり、感染に対する不安からプールや水遊びができないといわれてしまい相談にくる親御様も多いです💦
  • 医療での治療
  1. クリーム/軟膏の塗布🧴(様々な種類があります)
  2. **摘除術(ピンセットでの除去)**🪛
  3. 冷凍療法(液体窒素)❄️
  4. 漢方薬の内服などがあります。

即効性が高いのは、2,3で直接水いぼをとる治療です。意外と痕も残りません。ただし痛みを伴う治療のため、数が多いと時間もかかり大変なことも多いです💦

  • 当院での対応
    • ピンセット摘除術(当院では痛み止め用のクリームを塗って治療を行います)
    • M-BFクリーム®(自費・保険外)(含まれる銀イオン成分などの殺菌効果によって皮膚に軽い炎症を起こすことで、水いぼを早く治すクリームです。治療効果は自然治癒に比べても高い印象ですが、それでも治療開始から治癒まで1-2カ月程度はかかります)。範囲の大きい水いぼのお子様にはこちらの治療を勧めています。
  1. プール&登校はどうする?🏊‍♂️🏫
  • プール:お水そのものでは感染しません👍
    • ただし、タオルやビート板の共有はNG🚫
  • 学校・幼稚園:特に登校停止のルールはありませんが、共有物の管理を徹底してください📋

ポイント

感染予防は、接触後早めに体をしっかり洗うこと!プールに入っただけでは感染しません

自然治癒には時間がかかりますが、基本的には時間をかけて必ず治ります。早期治療をご希望の方は、ご相談を。

 

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夏場に多い皮膚疾患① 「とびひ」(伝染性膿痂疹)について

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こんにちは😊
みしま小児科クリニック青葉台の小林孝輔です🏥

今回は、特に夏場に多い皮膚の病気として、お子さんに多く見られる「とびひ」について解説いたします✨

  1. 伝染性膿痂疹(とびひ)って何?
  • 原因:皮膚に常在している菌(黄色ブドウ球菌・連鎖球菌)が、傷や虫刺されをかいた皮膚か侵入して、湿疹を起こします。
  • 流行時期:汗をかきやすい夏場に多いです。
  1. 主な症状👀
  1. 赤い発疹・水ぶくれ💧
    • 破れると膿(うみ)が出て、黄色~茶色のかさぶたに🩹
  2. かゆみ・発熱🤒
    • 細菌の種類や範囲によっては、かゆみや発熱を伴うことも🌀
  3. 拡大しやすい🌐
    • ばい菌のついて手でほかの皮膚を引っかいたりすることで、全身に「とび火」のように広がることから「とびひ」と言われています。🔥
    • 赤ちゃんでは、鼻水により皮膚が弱くなることで鼻の下や口周りにとびひができてしまい、そこから顔や全身にひろがることもあります。

 

顔にできたとびひ

 

 

 

 

 

 

 

脇やひざうらなどにもできやすい

 

 

 

 

  1. 診断・治療のポイント🩺
  • 診断:目視による診察で十分診断が可能です。悪化時は菌の培養を行うこともあります。
  • 治療
    • 何より大事なのは、皮膚をしっかり洗い清潔を保つこと!
    • 抗生剤による外用薬(塗り薬)、保湿などの皮ふケア💊
    • 抗生剤の内服やかゆみ止めの内服💊
    • 症状に合わせて使い分け、外用と内服どちらも行うこともあります。合早期治療が大切👍
  • メリット:悪化を防ぎ、家族への感染リスクも軽減🛡️
  1. 日常でできる予防策🛁
  1. 皮膚を清潔に
    • こまめに入浴し、泡立てた石けんでやさしく洗浄🧼
  2. 傷口ケア
    • 患部は泡でやさしく洗い流し、軟膏を塗ってガーゼで保護🩹
  3. 家族の入浴順
    • とびひのお子さんは最後に入浴して、感染拡大を予防🚿
  1. 登園・登校の目安🏫
  • 患部をしっかり覆えていれば:登園OK🎉
  • 多発・広範囲の場合:お肌の弱い子に移ってしまうこともあります、医師から登園を控えるよう言われたときは、無理せずお休みを😴
  • 園・学校のルール確認:登園停止期間や条件がある場合も⚠️

▶️ 不安なときはお気軽にご相談を☎️

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百日咳について② 診断と治療のポイント

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今回は百日咳の診断と治療について解説いたします。

診断のポイント

百日咳はまず激しい咳症状や周囲の流行などから感染を疑い、検査についてけんとうします。診断のための検査にはいくつか種類がありますが、どれも一長一短があります。

⏱️ 迅速抗原検査

    • 🔍 結果:5〜10分で判定可能で、その場で検査の判定が可能です。
    •  感度30〜50%と低めのため、陰性でも百日咳を否定できないことが多いです。陽性であれば、診断はほぼ確定となります。
  1. 💉 抗体(血液)検査
    • 🕒 抗体が上がるまで時間がかかるため、感染から時間がたたないと判定ができず、初期診断には向きません。抗体検査が陽性になるころには、抗生剤治療も効果が乏しいことが多いので、当院ではほとんど行っておりません。
  2. 🍮 細菌培養検査
    • 百日咳菌を特殊な培地で培養して判定します。 結果が出るまで7日以上かかる上に、成功率も7割程度とそこまで高くないため、こちらも当院では実施しておりません。
  3. 🧬 PCR検査
    • 菌に含まれる遺伝子を増幅して判定する検査で、特異度高く、感染初期から検出可能なため、早期診断には最も適しています。
    •  当院では実施から判定まで2〜3日かかりますが、最も信頼できる検査のため、主にこちらの検査を行っています。
    • 百日咳を含めた複数の菌やウイルスのPCR検査をまとめてその場で行うことのできる[spitfire®]という検査機器があります。青葉台の小児科では「はやし小児科医院」様にて実施が可能ですが、当院では設置しておりません。
    •  

💊 治療のポイント

  1. 🌟 抗生剤治療が第一選択
    • できるだけ早期(感染後1〜2週目)に、抗生剤治療を開始することで咳症状の回復が早まるとされています。また、早めに始めることで、重症化や家庭内感染を防止することも期待できます。ただし、もっとも咳が激しくなる痙咳期に抗生剤治療を開始しても、あまり効果は期待できないとされており、早期の治療が大切です。抗生剤としては小児にも使用可能なマクロライド系抗生物質が第一選択となります。
  2. 🛑 耐性化の問題
    • 中国や欧米をはじめ、日本国内でもマクロライド耐性株(MRBP)が増加中…治療開始後の効果が乏しい場合などはほかの抗生剤に切り替えることを検討します。

 

🍃 対症ケアのポイント

最も咳が激しくなる痙咳期は、百日咳菌の毒素で気道が過敏になることで咳が出ます。わかりやすく言うと、「めちゃくちゃ咳が出やすくなっている状態」です。この時期の咳には残念ながら、一般的な咳止め薬はほとんど効きません💦また、強力な咳止め薬である、コデインというお薬は15歳未満の小児には投与できない薬となっています。
そこで大切なのは「環境整備」と「刺激を避ける」こと
👇

  • 😷 マスク着用
    • 飛沫やホコリをブロックして、咳発作を少しでも和らげよう!
  • 💧 室内加湿
    • 湿度50~60%で気道の乾燥を防止
  • 🥤 こまめな水分補給&栄養管理
    • 少量ずつ何度も飲んで、体力をサポート

 

それでも咳が止まらない方には、吸入ステロイドなどで気道の炎症を少しでも抑える治療を行うこともありますが、効果は限定的です。大変残念ですが、一度かかってしまった後は、「治るまでひたすら喉を守る」が最大の治療となります。

 

🚑 まとめ

  • 💨 百日咳の診断にはいくつか方法があるが、その日のうちに診断可能な検査は限られている。臨床症状と流行状況から疑うことが大切。
  • 💉 早期の抗生剤治療で重症化&二次感染を防止
  • 🍀 マスク・加湿などのケアも忘れずに

周囲で百日咳が流行中…😰
気になる咳や「もしかして?」と思ったら、いつでもご相談ください。

 

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百日咳について①  症状と感染予防

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みしま小児科クリニック青葉台の三島です。本日は最近話題の百日咳について解説します。まずは感染と予防のポイントからです。

★百日咳って何?

百日咳(pertussis)は、**Bordetella pertussis(百日咳菌)**という細菌が引き起こす呼吸器感染症です。特徴的なのは、長く続く「けいれん様咳嗽」。

「コンコン…ケホッ、ケホッ、ケホッ」
咳があまりに激しく続くと、息ができず顔が赤くなることも。特にワクチン未接種のうちに感染してしまった乳幼児では無呼吸発作や嘔吐を伴い、重症化すれば入院治療が必要になることもあります。

一度発症すると咳は1か月以上続くことが珍しくなく、通常処方される咳止め薬ではほとんど効果が期待できません。だからこそ、早期発見と予防が大切なんです!


★主な症状の経過

  1. 潜伏期(1~2週間)

    • ほとんど無症状か、軽い風邪のような鼻水・くしゃみ程度

  2. カタル期(初期1~2週間)

    • 鼻水、くしゃみ、微熱、軽い咳

    • 普通のかぜと区別しづらい時期

  3. 痙咳期(中期2~6週間)

    • 「ひきつけるような」連続咳発作

    • 「ワッ!」「ヒュー!」といった吸気性笛音(whoop)

    • 咳で嘔吐したり、無呼吸発作を起こすことも

    • ワクチン未接種の乳幼児は特に重症化リスクが高く、命に関わることもあります

  4. 回復期(後期2~3週間)

    • 咳は徐々に減り、通常の風邪症状に戻る


★感染経路と予防

👀 感染しやすいのは、まだ症状が軽いカタル期。この時期は咳が目立たないため「風邪かな?」で済ませてしまいがちですが、すでに強い感染力があります。

  • 飛沫感染:咳やくしゃみの飛沫を吸い込む

  • 接触感染:手指やおもちゃを介して口に菌が入る

ポイント

  • 潜伏期間は7~21日と長く、気づかないうちに周囲へ広がりやすい

  • 咳が激しくなる痙咳期にはすでに感染力が低下しているので、軽い症状のうちから対策を!

日常の感染対策

  • 咳エチケット(マスク、ハンカチ)

  • こまめな手洗い・アルコール消毒

  • 室内の十分な換気


★ワクチンでしっかり予防

1. 定期予防接種

  • 乳幼児期(生後3・4・5~6ヶ月、1歳6ヶ月):計4回

    • このシリーズで4~5歳までの感染リスクを大きく下げます

    • ただし、4回目まででも小学校入学前後には効果が弱まり始めます

  • 学童期(5~6歳):三種混合ワクチン(百日咳成分含む)追加接種

    • 任意接種のため、当院では1回約5,000円の自費負担となります

  • 思春期(11~12歳):Tdapブースター

2. 妊産婦ワクチン

  • 妊娠28~32週でのTdap接種を推奨

  • 出生前から赤ちゃんを守り、家族内感染を予防します


まとめ

  1. 百日咳は長く続く激しい咳がポイント。咳止め薬ではほとんど抑えられません。

  2. 感染力が高いのは軽い風邪症状のカタル期。早めのマスク・手洗い・換気を!早期の抗生剤治療による症状の改善を早めたり重症化を防ぐことができます。

  3. 家庭内感染を防ぐことは難しく、予防にはワクチン接種が最も効果的。乳幼児期・学童期・思春期、そして妊産婦さんも忘れずに。

何か気になる咳が続くときは、早めにご相談くださいね🏥✨

 

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プール熱やはやり目の原因・アデノウイルス感染症について

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こんにちは🌟
みしま小児科クリニックの小林孝輔です。今日は、お子さまに多い「アデノウイルス感染症」について、わかりやすくご紹介します!


★アデノウイルス感染症って何?

アデノウイルス感染症は、その名のとおりアデノウイルスが原因の病気です。咳や熱など「風邪みたいな症状」から、目やお腹に症状が出るものまで、いろいろなタイプがあります。とくにお子さまに多く見られるのが特徴です。


★主な症状は?

  1. 風邪症状:咳・鼻水・のどの痛み

  2. 発熱:37.5~39℃くらいの熱が4~5日続くことも

  3. 結膜炎:目が赤くなったり、ゴロゴロする・痛む

  4. 胃腸炎:下痢・嘔吐

ウイルスの“型”によって出る症状が変わります。当院ではアデノウイルスの有無を調べられますが、型までは特定できません。


★プール熱(咽頭結膜熱)とは?

  • プール熱は「咽頭結膜熱」という正式名で、夏にプールで流行しやすいことからこう呼ばれます。

  • 症状:高めの熱・のどの痛み・結膜炎

  • はやり目(流行性角結膜炎)との違い:はやり目は目の症状だけ(発熱・のど痛は少なめ)

  • 咽頭結膜熱の結膜充血

    咽頭結膜熱の結膜充血

 

 


 

 

 

 

 

★どうやって予防するの

プール熱、はやり目ともに非常に感染力が高く、感染者の手が触れたりすることでかなりの確率で感染してしまいます。感染が疑われるお子様との直接接触をなるべく防ぐのが予防のカギとなります。

  1. こまめな手洗い:石けんでしっかり!

  2. 咳エチケット:咳やくしゃみはマスクやティッシュでガード

  3. 消毒:ドアノブやおもちゃなど共用部分をアルコール消毒


★治療はどうするの?

残念ながら特効薬はありません💦
症状に合わせた対症療法が中心です:

  • 解熱剤で熱を下げる

  • 咳止めで咳を楽に

  • 整腸剤や制吐剤でお腹の調子を整える

ただ、高熱が長引いたり、水分が取れずに脱水になると、点滴や入院が必要になることも。
「ぐったりしている」「吐き気・下痢がひどい」など、心配なときはすぐに受診してくださいね。


★登園・登校の目安は?

アデノウイルスの種類ごとに目安がちがいます。

病名 学校保健安全法上の出席停止期間 保育園などをお休みする目安
咽頭結膜熱(プール熱) 主な症状消失後+2日経過まで 約1週間
流行性角結膜炎(はやり目) 医師が感染のおそれなしと認めるまで 1~2週間
その他のアデノウイルス感染症(扁桃腺炎・胃腸炎など) 特になし 約5日~1週間

※施設によってルールや必要書類が異なる場合があります。わからないときは、入園先・学校にご確認のうえ、当院にもご相談ください。


お子さまの健康を守るためには、ご家庭でのケアと早めの受診が大切です。何か気になることがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせください😊
以上、みしま小児科クリニックの小林がお伝えしました!

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