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ステロイド外用薬について

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ステロイド外用薬ってどんなお薬?

こんにちは、みしま小児科クリニックの小林孝輔です。
今回は**アトピー性皮膚炎の治療に欠かせない「ステロイド外用薬」**について、保護者の皆さんに分かりやすくご説明します。


1.ステロイド外用薬の役割

  • 炎症とかゆみを抑える力がとても強く、アトピー性皮膚炎・湿疹・乾癬など幅広い皮膚トラブルに使われます。

  • 患部に直接ぬるだけで、赤み・腫れ・カサカサを早く落ち着かせてくれるお助け薬です。


2.“強さ”で選ぶ 5 つのランク

ステロイド外用薬はパワー別に 5 段階に分けられています(強い順に並べています)。

ランク 呼び方 代表的なお薬(例)
Ⅰ群 ストロンゲスト デルモベート®、ダイアコート®
Ⅱ群 ベリーストロング フルメタ®、アンテベート®、トプシム®、マイザー®、ネリゾナ®
Ⅲ群 ストロング メサデルム®、ボアラ®、リンデロンV®、フルコート®
Ⅳ群 ミディアム リドメックス®、アルメタ®、キンダベート®、ロコイド®
Ⅴ群 ウィーク プレドニゾロン® など

ポイント

  • **薄い皮膚(顔・首・肘裏など)**はお薬がよくしみこむので弱め〜中くらいのランクで十分効く場合が多いです。

  • 厚い皮膚(手のひら・足裏など)や重症時は、より強いランクが必要になることもあります。


ロコイド軟膏、ロコイドクリーム(強さはマイルド)

リンデロンV軟膏(強さはストロング)


3.正しい選び方・使い方

  1. 症状の強さ & 部位に合わせて選ぶ

    • たとえば当院では、軽〜中等症の湿疹にⅣ群ロコイド®、もう少し強い炎症にはⅢ群リンデロンV®をよく処方します。

    • 処方の際は年齢や肌質も考慮しながら調整しますのでご安心ください。

  2. 塗る量は「指先ユニット(FTU)」でチェック

    • 大人の人差し指の先から第一関節まで絞り出した量(約0.5 g)が手のひら 2 枚分に広がる目安です。

  3. “見た目が治った”あと 2〜3 日は継続

    • 皮膚の下に残った炎症をしっかり鎮め、再発を予防します。

  4. 副作用を防ぐコツ

    • 長期間同じ強さを続けない(医師の指示でランクを下げていく)。

    • 感染が疑われる赤み・ジュクジュクが出たら早めに受診。

  5. 保湿は 365 日が基本!

    • ステロイド外用薬をやめたあとも保湿剤でバリア機能を守りましょう。


4.よくあるご質問 Q&A

よくある疑問 お答え
長く塗ると皮膚が薄くなるって聞きました… 適切な強さ・期間を守れば心配はほとんどありません。むしろ不十分な治療のほうが悪化を繰り返しがちです。
子どもの顔にも使って大丈夫? 赤ちゃん〜小児の顔にはⅣ〜Ⅴ群など弱めを短期間使うのが一般的です。医師が安全に調整しますのでご相談ください。
市販薬でも同じ? 市販品は基本的にⅣ〜Ⅴ群相当で、成分量も少なめ。中等症以上は医療用のほうが早く改善します。

5.まとめ

  • ステロイド外用薬は炎症スイッチを速攻で切る大切なお薬。

  • 強さのランクは「症状」「塗る場所」「年齢」で使い分けます。

  • 治ったあともしばらく継続+保湿ケアで再発予防を!

**「アトピー性皮膚炎とその治療」「お子さまのスキンケア」**の記事もぜひあわせてご覧ください。

 

その他にも何か心配なことがあれば、いつでもみしま小児科クリニック青葉台までご相談ください。

ブログで取り上げてほしい題材やご質問がありましたら、下記問い合わせ先メールから、いつでもご相談ください(^^♪

mishimachildclinic@gmail.com

過去記事などはこちらからも参照できます。

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